月経の始まる2日〜10日前から体の不快感がおこり、頭痛、不眠、いらいら、便秘、下痢、腹痛、腰痛、めまい、肩こりなどの症状が合併して現れるのが。 「PMS」といわれるものです。「PMS」とは、Premenstrual Syndromeの略で、月経前症候群のこと。約8割の女性が何らかの不調を感じているといわれています。症状の程度には個人差がありますが、腹痛がひどく日常生活に支障をきたすこともあれば、イライラして人間関係につまずく場合もみられます。
なぜ起こる? PMS
PMSが起こる原因は、まだよくは分かっていませんが、女性特有のホルモンのアンバランスが一因であると考えられています。では、なぜホルモンのアンバランスが生じるのでしょう。女性の1カ月(月経周期)のメカニズムから探ります。
女性の1カ月は、卵胞期・排卵期・黄体期の3つの期間から成り立っています。
●卵胞期
脳の視床下部の指令を受けた脳下垂体から、卵胞刺激ホルモンが分泌されます。すると、卵巣の中の卵胞が成熟し、卵胞ホルモンが分泌されます。卵胞ホルモンが分泌されると、子宮内膜は増殖し厚くなります。
卵胞ホルモンは女性らしい体つきをつくり、妊娠に備えて卵子を育てる働きがあり、卵胞期は心もからだも穏やかに過ごすことができるといわれています。
●排卵期
卵胞から卵子が飛び出す時期が排卵期です。
●黄体期
排卵後の卵胞からは、黄体ホルモンが分泌され、体温を上げます。また、子宮内膜をさらに厚く、柔らかくして、卵子がくっつきやすくするなど、妊娠を継続・サポートする働きをします。
卵子が受精せず妊娠しなかったときは、子宮内膜ははがれ、出血とともに排出されます。これが、生理(月経)です。
黄体ホルモンは、水分を貯留させて、月経前になると、「手足のむくみ」、「乳房の張り」、「筋肉や関節の痛み」、「頭痛」といった症状が現れる女性は多いと思います。
排卵から月経開始までの黄体期は、排泄機能が低下し、体内の細胞や組織に余分な水分が貯留されます。 月経前に、体重が1〜3キロ増え、月経開始後に体重が元に戻るという現象も、体内水分量の変化によるものです。
水分の貯留する場所は、女性によって、また年齢やそのときどきにより様々で、自覚する症状も異なります。
むくみや便秘を起こしたり、イライラやうつをもたらしたりすると考えられています。PMSの症状が、生理の10日〜3日前の黄体期に現れやすいのもこのためだそうです。
女性の排卵から月経までは、視床下部、脳下垂体、卵巣と続く一連のホルモンの連携によってコントロールされています。このホルモンの調節機能のどこかが乱れても、PMSの症状が起こると考えられています。
また、精神的な症状も多いことから、人間関係のストレスや生活環境の変化などによっても影響されることがわかっています。さらに、食生活の乱れ、運動不足、喫煙などの要因もあるといわれています。
PMSは、排卵があって月経周期の安定した女性に出やすいことから、かつては妊娠・出産・育児と女性の一生で最も充実した30歳代に多く見られていました。
しかし、現在は女性の社会進出とともに、受けるストレスも増加し、20歳代の女性にも多く見られます。しかも、初潮が早まっていることもあり、PMSはどんどん低年齢化しているのが現状です。
PMSの症状を、「仕方がない」と我慢して諦めてはいませんか? PMSは、日頃の生活習慣の影響も少なくありません。次のようなセルフケアがよいとされています。
●休養
PMSのセルフケアは、何といってもストレスをためないこと。無理をして頑張ったりしないで、体調が不安定なときは休養をとって、心もからだも休めましょう。無理をすると、さらにPMSが強くなってしまいます。
●食生活
・1日3回の規則正しい食生活と、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。不規則な食生活は、さまざまな不調の原因にもつながります。
・玄米や麦などの精製していない穀物には、ビタミンやミネラルが豊富。積極的に摂取しましょう。
・この時期は、特に塩分やアルコールを控えましょう。
●サプリメントの補給
・カルシウムやマグネシウムは、イライラやむくみを軽減します。
・女性に不足しがちなビタミンB群。ビタミンB6は肌荒れなどに効きめがあり、ビタミンEは冷え予防に効果的です。
・ボダイジュの花、ハス胚芽、ナツメなどの植物エキスがPMSの症状を和らげると注目されています。これらを工夫して試してみるのも1つの方法です。
●ストレス解消
入浴(半身浴・足浴)や、アロマオイルをたいたり、自分の趣味の時間を設けたりストレスをためないようにしましょう。又ストレッチやウォーキングなどで適度に体を動かしましょう。
●基礎体温
毎朝、基礎体温を測って自分の月経周期を理解しましょう。PMSが起こる時期を把握して、体調の変化やのんだ薬などをメモしておくことも大切です。