
下痢に対して神経質な人も、便秘に対しては無関心な人が多いようです。慢性化してしまった便秘は根気よく食事と生活習慣の改善で治しましょう。
便秘には、一過性便秘、慢性便秘、弛緩性便秘、けいれん性便秘などがあります。旅行に行った時に便秘になる人がいますが、このような環境の変化や、食物繊維の少ない食事が続いた時などに一過性便秘になりやすいのです。そこで便秘を解消できず、そのまま慢性化してしまったものを慢性便秘(習慣性便秘)といいます。慢性便秘が女性に多いのは、女性に腸アトニーが多いことが、原因であるといわれています。弛緩性便秘は胃腸の弱い人や老人に多く、大腸の働きが弱くなっているのが原因と考えられています。けいれん便秘は、ストレスなどのが原因で起こる便秘で痛みを伴い、心的原因の改善が必要とされています。他の便秘は食生活の改善が一番有効と言われています。
便秘を改善するために生活習慣で気を付けることをご紹介していきます。
トイレを我慢しない
朝の慌ただしい時間や、会社・学校で、つい便意を我慢してしまうことはありませんか? この我慢が便秘への第一歩です。便意の我慢を繰り返すことで、だんだん便意を感じにくくなってしまうらしいです。
●朝食はしっかりとる
目が覚めたら、冷たい水か牛乳を一杯飲みましょう。朝食はしっかりとりできれば果物あるいは良質の脂肪を少し取り大腸の運動を刺激しましょう。又冷たいものだけでなく、温かいものも胃や腸に刺激を与えてくれるので、パン食ならコーヒーやスープ、和食ならおみそ汁などを食事に添えることをおすすめします。
●排便のリズムをまもる
朝はそれまで休んでいた胃や腸が運動を始める、一番排便しやすい環境にあります。ただし、排便リズムは人それぞれなので、朝の排便が難しい人は自分にあった排便リズムを見つけて習慣づけることをオススメします。
●腹式呼吸
腹式呼吸も腸に刺激を与えて運動を促すのに効果的と考えられています。息を吸う時にお腹をまるくふくらませ、息を吐く時にはお腹が空っぽになるようにへこませます。お腹を動かすことによって腸に刺激が伝わり、運動が活発になります。腹筋が弱い人は、寝る前と起きてすぐに寝たまま腹式呼吸をしてみましょう。これも毎日続けて習慣に。
■食事の見直し編
野菜の少ない肉や魚がメインの食事に偏ったり、極端な食事制限によるダイエットなどで、一過性の便秘になることがあります。便秘は不要な老廃物を体の中にため込んでいる状態なので、肌荒れなどのトラブルの原因にもなると考えられています。普段の食事を見直して、便秘や美容に有効な食べ物や栄養を積極的に取り入れて、体の中から綺麗になりましょう。
●食物繊維
便秘の改善には食物繊維が欠かせません。食物繊維は、保水性に優れており便をやわらかくし、量を増やしてくれるので老廃物を体外に排出しやすくなります。特に野菜に多く含まれていますが、大きく分けて2種類の食物繊維があります。
ひとつめは水に溶けにくい不溶性食物繊維で、血圧を下げたり有害物質の排出を助けたりします。もうひとつは水溶性食物繊維で、水分をたくさん取り込んで、脂肪や糖質などを吸着して体内へ吸収される量を調整してくれ、コレステロールの排出を助けます。
この2種類の食物繊維をもった野菜が便秘に有効だと言われています。たとえば、トマトやりんご、セロリ、玉ねぎなどに含まれています。不溶性食物繊維を多く含み、水溶性食物繊維を少ししか含んでいないか、全く含んでいない食べ物では、便の水分が不足気味になり、あまり効果がないようです。どちらかというと水溶性食物繊維を多く摂るようにした方が効果的と考えられます。
●善玉菌VS悪玉菌
腸の中には100種類もの腸内細菌が住んでいます。この腸内細菌は、ビフィズス菌などの体にいい善玉菌と、大腸菌やブドウ球菌などの体に悪い悪玉菌にわけられます。健康な腸では、善玉菌のほうが優勢で、逆に悪玉菌が多くなると便秘や下痢、肌荒れなどの原因になってしまいます。
悪玉菌のエサは胃で消化しきれなかった肉類などで、それらを分解して悪臭のある有害物質を作りだしてしまいます。その有害物質を腸が吸収し全身へ送ってしまうので、これがさまざまな悪影響の素になります。便が臭いのは悪玉菌が多くなって腸の健康が損なわれている証拠と考えられています。逆に善玉菌を増やすには、善玉菌が腸内で発酵するために必要な基質になる食物繊維やビフィズス菌を多く摂ることが必要です。
●便秘に効く食べ物
ごま油
ごま油には、胃腸の働きをよくし、腸の蠕動運動を即す働きがあるといわれています。ごま油をとると、胃腸で消化吸収を果たしている上皮細胞が油でおおわれ、一時的に消化吸収の働きが弱まり腸の蠕動運動が活発になり便の排泄が良くなるといわれています。ハチミツと混ぜると、そのままとるよりも抵抗感がなくなります。
さつまいも
サツマイモの含まれるヤラピンという食物繊維は便秘解消に役立つといわれています。食物繊維は排便促進はもちろん、腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスを保つ、コレステロールの吸収ををさえるなどの働きがあるといわれています。
りんご
りんごに含まれるペクチンという食物繊維は水溶性で善玉菌の繁殖を助けます。ペクチンはりんごの皮に多く含まれているので、皮ごと食べることをオススメします。
ヨーグルト
乳酸菌を含むヨーグルトは、乳酸菌は腸内の善玉菌のエサになったり、腸を悪玉菌が住みにくい環境にして腸内環境を正常にする働きがあります。腸の活動も活発になります。
年をとるにつれ、腸内の善玉菌は減っていきますが、ヨーグルトを食べ続けていれば、善玉菌を助けて減少を抑えることができます。毎日続けて食べることが大切です。
●下剤・便秘薬について
下剤や便秘薬に頼りすぎると、腸内バランスが崩れることもあります。下剤や便秘薬を飲み続けるより、食事で便秘を改善するよう心がけましょう。また、強い下剤はなるべく使わずに腸内運動を補助する程度の薬を服用しましょう。
薬は飲み続けると、体がそれに慣れていってしまうので、効き目を感じにくくなります。効かないからといって、指示されている量より多く飲んだりしないよう気を付けてください。お医者様の指導の下、服薬されるのがよいと思います。
●便秘に隠れるこわい病気
便秘は、頭痛、肩こり吹き出物などの害を引き起こすだけでなく、ひどいときには39度以上の熱を出しひきつけを起こす子供もあります。また、大人でも膀胱炎や腎盂炎の原因や胆石症の誘因となることがあるといわれています。老人では便所の中で脳出血で倒れることもあるように、脳出血の直接の原因となることもあります。